私の会社の軒先には、随分昔からツバメの巣が2つあり毎年この時季になると最初のツバメがやって来ます。
毎年、時季を違わずやって来る様は、まさに自然そのもの。
今は巣の修復期間で、これが終わると、しばしハネムーンに出掛け、抱卵、孵化、給餌、巣立ちと野鳥の子育てを間近に見る事が出来ます。
昔から、ツバメが巣を作る家は繁栄すると言われますが、これは情報収集手段が乏しくかった時代は、人がその大きな媒体を果たしていたからだと思います。
ツバメの巣がある家にはそれを見に人が集まり、そこに情報が集まる。そしてその情報がさらに人を呼ぶと言う好循環をもたらしていた、と言う私の「ツバメの巣」理論は、強ち空論ではないと思いうのですが…。
ツバメが来だしてもう何年になるでしょう?色んな事がありました。
巣が雀に潰された事。潰されない様に棚を作ったらそれから2年来なくなってしまった事。雛が巣から落ちるのはよくある事で、戻してやると意外とそのまま育って巣立っていきました。
まだうまく飛べない雛が車通りの多い前の通りを横切って向こうの道端にいた時、慌てて捕まえにいった事。うまく飛ぶようになったのはいいけれど間違って会社の奥に入ってしまい、弟と二人で虫取り網を持って追いかけまわした事。
近所の小学校の子供が連れてきた雛が羽を怪我しており、動物園の野鳥保護課に届けたが、助からなかった事。
近所の悪ガキが早朝に虫取り網で巣ごと雛を持って行った事がありこの時は学校に怒鳴り込んだので先生が悪ガキどもを見つけ出し、親子で謝りに来た所をこっぴどく叱ってやりました。
今でも心の中に残っているのは、猛暑の年に雛鳥を巣立たせた1羽の親鳥がその翌朝、いつも休んでいる分電盤の上で静かに息を引き取っていた事。そのつがいの一羽がそれから3日間うちから離れなかった事
又、今年も巣立つまでの間ハラハラ、ドキドキしながら過ごせる喜び、同じくツバメが巣を作っているお客さんと「ツバメ談義」が出来る喜びに心から感謝しています。